星宿りのユウェル
魔法使いは,夢を夢物語で終わらせない
星宿りのユウェル
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2人声劇台本
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魔法使い:「キミ。私と来る気はあるかい?」
[過去の話─ 曇り空の午後、破壊された街並みはどこまでも灰色だ。瓦礫のなか、魔法使いはある家の前で片膝をついている。かろうじて脱出したのだろう、あちこちから血を流した子どもがひとり横たわっている。子どもは、重たそうに瞼を持ち上げた]
魔法使い:「そう。いい覚悟だ。私は今から、キミに祝福を贈る」
子ども:「しゅく、ふく?」
魔法使い:「……ユウェル。誕生日おめでとう!」
[それからの話─ 月日が流れていく]
生徒:「せんせ見て、みてこれ、ちっちゃ、羽、はねはえた!」
先生:「よくやった、最高だ私のユウェル!」
生徒:「えへへ」
生徒:「センセイ、瓶のこと、あの。ごめんなさい」
先生:「……ああ全く。ほら顔見せて。はは、くっしゃくしゃだあ」
生徒:「お爺の天球図なんて希少なもの!勝手に無くさないでよ、先生」
先生:「……それについてはごめんよ、本当に」
先生:「ユウェル。……つらくはないかな」
生徒:「満点の星空の下を生きるべきだ、そう言ったのは先生です。だから、ちゃんと継ぎますよ」
[今の話─ 今にも落ちてきそうな星空の下、ひとりの魔法士が立っている。目の前には子どもが横たわっており、虚ろではあるが魔法士を見つめている。魔法士は膝をついて子どもの目をじっと見る。年季の入った背丈よりも大きい杖には、夜空を閉じ込めたような鉱石がはめ込まれていた]
魔法士:「君、私と来る気はありますか」
師匠:「── あの日のキミの瞳に夜空を見たんだ」
魔法士:「よい覚悟ですね」
師匠:「── それは間違いじゃなかった」
魔法士:「……ユウェル。私が君に祝福を贈ります」
2人:「誕生日 おめでとう」
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【登場人物】
▷星宿りの──
星辰をつかさどる魔法使いは代々薄命である。
その魔法はひどく残酷な呪いだ。
その名と祝福を継ぐ者に、幸いあれ。
▶ 先生
私は「魔法は祝福だ」と教えた。
たとえそれが子どもだましの嘘でもいい。
どうか、誰よりも優しいユウェルの道行に星天の加護があらんことを。
原著:"The Starry Wizard" from "Folklore of the District of Ewell" ,1531.
出典:『星宿りのユウェル』 アナベル・フォーダム 作, 押埜 彰葉 訳, みぎわ書房
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【お借りしたもの】
背景音楽
https://nana-music.com/sounds/00aa83ad
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#声劇
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#なべこオリジナル #なべこぴあの
コメント
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- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました😊ありがとうございました✨