【朗読声劇】家路【台本】

朗読してくださった君のお名前

#朗読 #声劇 #台本 徒然なるままに書き留めたものです。全く需要など考えておりませんが... 老若男女どなたでもどうぞ！ ――――――――――――――――― うん、まぁ、なんにせよ。 つまるところ僕はずっと君と繋がっていたいんだよ。 ...あっ、いや、そーゆうやらしい意味合いとかじゃなくてね？ ん、まぁ別にそれでも僕はどんとこいなんだけど、とりあえずそれは一旦置いとこ。 僕には見えるんだよ、君の右手に握られたリードが。 使い古されているのか少々色褪(いろあ)せているけれど。 なんだか元気無さげにくたびれているけれど。 ようやく傾き始めた夕日に照らされてなんだか哀愁(あいしゅう)を湛(たた)えているようだけれど。 わかってはいるんだよ。結局は君も僕と同じ人だから、いつまでも君が君であるとは限らないわけで。 うーん、ちょっと話が大袈裟(おおげさ)になりすぎたなぁ。 うん、まぁ、なんにせよ。 つまるところ僕は君の後ろを歩いていたいんだよ。 首輪が首筋に擦れて痛くたって仕方ないよ、悪いのは痛がる僕だもの。 だから君は振り向かなくて良いんだよ。 心配しなくたって僕はずっと後ろを付いていくし、それに僕は心配してくれる君より心配してくれない君の方が好きだからね。 でもやっぱり揺らぐときもあるみたいだね。 そりゃあ、やっぱり人だし。 それが人の専売特許だし。 だからね、仕方ないから今日一日くらいは我慢してあげるけど、明日からはちゃーんと前を歩いて、僕の首を痛めて、心配してくれないでね？ ――――――――――――――――― マゾさんの独白でした！