蝉時雨に溶ける音

先輩｢コラボ者様｣ カップル、時雨『コラボ者様』 曲、歌【Sery様】

茹だるように暑い夏、蝉時雨の隙間からあの日の記憶を思い出す カップル＆時雨『』 先輩｢｣、モノローグ ─────────────────────── Seryさまのとても素敵な曲と歌をお借りしました ─────────────────────── 『何してるんですか置いていっちゃいますよ！』 そんな声に振り向けば若いカップルが、楽しそうに笑いあっていた ｢……なに振り向いてんだか｣ 自分の未練がましさに笑いがこぼれた ……そういえばあの日も今日みたいな茹だるように暑い夏だった 『ほらほら！ちんたらしてると置いていっちゃいますよ！』 ｢待てって時雨！｣ 『あはは！ ほら早く早く！夏は短いんですから！』 ｢ったくしょうがないなぁ……｣ 少し先で俺を呼びながら時雨はいつも楽しそうに笑っていた ｢なぁ……俺と遊んで楽しいか？｣ 『何言ってるんですか？ 楽しいに決まってるでしょ！ だって────』 あの後なんと言ったんだったか…… 時雨の言葉は蝉の声にかき消されてしまって、俺の耳には届かなかった ｢なぁ時雨 気がついたらお前を追い越してたよ｣ そう零しても、もう時雨に届くことはない 『先輩！』 そう呼ぶ声が蝉の声に紛れて聞こえた気がした ────────────────────── あとがき 蝉の声というのはあれほど騒がしいというのに、思い返してみるとひどく哀愁を誘うものに聞こえることがあります それがあの頃の輝いていた思い出を懐かしんでのものなのか、今を嘆いてのものなのかそれは未だに分かりません 読み 茹だる→うだる 未練→みれん 時雨→しぐれ 蝉→せみ 零す→こぼす #せりオリジナル #BGM #ピアノ #拝啓 #切ない #蝉 #夏 #癒し #リラックス #悲しい #オリジナル曲 #オリジナル #想い出の夏2017 #nanaトーーク #sery_singsong #声劇 #二人声劇 #モノローグ声劇 #大塩台本