冷凍庫(朗読 台本)
読み手あなた 書き手 ミチル猫
冷凍庫(朗読 台本)
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溢れる涙がこぼれ落ちない様にぼくは心の中に高性能な大型冷凍庫を備え付けていた。
心に傷が付く度にその傷は透明でしょっぱい血を流したけど瞳に伝わるその前に、無理やり冷凍庫に流し込み、カチコチに凍らせた。
何事も無かったかのように傷付く度、無意識に僕は心の血を冷凍庫に流し込んだ。
そうしていつしか涙の流し方さえ忘れ重たい氷ばかりが心を埋めていた。
『苦しいならそんな物壊しちゃえば?』
突然僕の目の前に現れたその人は有無も言わさず心に入り、冷凍庫を粉々に砕いた。
転がり落ちる、氷。
『溶かして流せば軽くなるよ。誰にも見せたくないならこの胸をかしてあげるから。』
そういってお節介なその人は僕を抱き締めた。
すると突然冬から春に移り変わる様に心の中が暖かくなる。
転がり落ちた氷は静かに溶け出し、まるでこの時を待ちわびて居たかのように僕の瞳から大量の涙としてこぼれ落ちた。
その人は言う。
『もう我慢しなくていいんだよ。』
『ありがとう…。』
僕は何度もその言葉を繰り返しながらすべての氷が解けこぼれ落ちるまで泣き続けた。
(ちょっと早めに読まないと間に合わないかも…省略OKです)
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素敵な演奏ありがとうございます!
オリジナル【BGM】-虚-
りるや
#ミチル猫台本
コメント
4件
- ミチル猫
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました😊ありがとうございました
- ミチル猫
- 🫧❄️塩分(VC)❄️🫧お借りします