【短編映画】『二度とないキミに。』
四辻 陽世
【短編映画】『二度とないキミに。』
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もうとっくに散って、纏わりついていた。
まだ肌寒い季節であっても、わざわざ冷水で足を洗う。
縋り付く不快な臭い。
それでも、どうしても嫌いになれなかった。
夜、眠る前
少しだけ僕の物語は進むようなきがして。
何かを繋ぎ止めようと
ただひたすら文字を紡いだ。
結局何も変わらなかった。
僕の物語はずっと止まっているように。
月明かりはまるで
空っぽの愛のように見える。
今日も 嫌いだ。
何もかも慣れないままで。
同じ生活を過ごせば
この物語の終わりを知ることができると。
でも…
「書けないんだ。どうにも」
もう、ひとつの影が重ならないことを知った。
望んでいた景色さえ、その眼には美しく映らない。
それでも、きっと幸せだった。
『二度とないキミに。』
コメント
2件
- よえ素敵です…。一度聴いて、素敵だなと感じ、その後時間を置いたのですがずっと頭から離れずまた聴きたくなって戻ってきました。再度の言葉になってしまいますが、素敵です。
- 二条 朔良すぎる…言語化が追い付かんけどとにかく素敵!!!